「彼方へ」ソロパートを大切にしたい話
以前19周年祝いとして「彼方へ」についてぐだぐだ語りましたが、あんまりにも見苦しかったためソロパートのところのみ引っこ抜いて再掲しておきます。私が読み直したくなった時に読み返しやすくするため。
サブタイトル、「”Because you are…”とは何か」
~そのまえに~
コンサート終盤も終盤。証明が落とされ、ペンライトも制御され、作り出された暗闇。そんな中、地上から淡く暖かな光が放たれ、始まる『彼方へ』の物語。
表紙を開くときのワクワク感と、夜明けの静寂のなかで次々と生き物が活動し始めるような生命力を感じさせるイントロ。そこに交わる大野さんの宇宙まで響き渡るような「Sing forever」。櫻井さんの山の向こうまで響き渡るような「Evermore」。
そうして、5人の乗ったトロッコはメインステージに向けてゆっくり進む。風っ子のソロリレーと共に。
相葉さんのソロの途中から登場するのはスネアドラムだろうか?未来へ向かって歩き出したいんだけど、様々な不安や恐れにより一歩が踏み出せないでいる…そんな人がいたら、このスネアドラムのリズムと響きが、きっとその一歩を踏み出す力を与えてくれるだろう。
続く、サビ。山のソロリレー。そして。トロッコがたどり着いた先、メインステージで物語はクライマックスに。キラキラ舞う銀テの向こうで、お互い見つめ合い、笑い合いながら(そして少し照れながら)「Don't stop the music」と歌う姿からは、音楽だけでなく、様々なものに対する情が溢れ出ているような。
~以上予備知識~
ではまず、松本さんについて。
地平へと続く夢 朝焼けが染まってく
We get a place to be 見果てぬ景色 望む瞳
好きです。 特に「We get a place to be」が好き。ちなみにラストの「素晴らしいこの世界」はもっと好き。「世界」の音の抜き方がすっごい好き。
いつのまにか、あま~い歌声にカカオ成分が加わっていた。甘く温かく、どこか揺らぎのあった歌声に、いつの間にか深みが加わっていた。(『パレット』で「そんな気持ちの精一杯」と精一杯歌っていた彼は、もう大人になったのか…)
あのフェリーの上で、唯一先にあるものに対し明るい感情を持っていただろうまつじゅん。きっと夢が叶うところ。
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
"地平へと続く夢"って、ひとつの夢を追うのではなくて、いくつもの夢を叶えていき地平へ向かう、という印象。で、肝心の地平は朝焼けで眩んで見えない。でも向かう先は明るいという事実。
「きっと夢が叶うところ…」
恐らく、5人の中で一番デビューに対し前向きだった松潤。当時からクリエイティブでいろんなことに積極的だったと、簡単に想像できる。
ならば。
あのハワイで、フェリーの上で、これからについて考えたはず。夢、目標、希望ーーー
きっと、とても貪欲だった16歳。今も、貪欲な35歳。デビューしてから、今まで。松潤はいくつ夢(目標)を叶え(達成し)、いくつ新しい夢(目標)に向かって走り出しただろうか。目標の地に到達し、次の目標へ。そうして一歩ずつ確実に進んでいき、成長していき、地平へと向かう。その地平にはなにがあるのだろうか。そこから何が望めるのだろうか。肝心のその向かう先の地平は、朝焼けで眩んで見えない。でも、絶対的にその地平は明るい。眩しいくらい明るい未来が待っている。
明るいよ、松潤。大丈夫。あなたが前を向いて、考えて考えて考え抜いて進むと決めたその地平は、明るいよ、松潤。横には4人がいる、大丈夫。
「行きたい場所に辿り着く」、過去形でも未来形でも願望でもない。だってその場所はひとつだけじゃないから(見果てぬ)。ただただ貪欲。だけどそこから見える景色をあの純度の高いキラキラした目で見てるんだなってのが歌詞から伝わってくるからその貪欲さが隠れてただただ美しいという感想しかない。
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
ちょっとこのツイート、全体的によくわからない…。
「We get a place to be」、行きたい場所にたどり着く、といったニュアンスでしょうか?たどり着いたいくつもの地から見えた様々な景色は、松潤にはどう見えたのだろう。そこから何を感じとったのだろう。
彼は、そこで得たものをきちんとわたしたちに伝えてくれる。嵐を通して、歌声を通して、コンサートを通して。
そして、彼は、これからもまだまだ先の地平を望むのだろう。あの純粋な瞳で。貪欲な瞳で。新しいことを。より魅力的な嵐と自分を見つけるために。
ステージの構成を担うまつじゅんが景色を歌う、そのマジでガチでヤバイレベルの尊さはさくらいパートに通ずるものがある。というか、さくらいパートがわかりやすい尊さなので他にスポットライト当たってないんじゃいの、ねぇ、ねえ!!!わかるでしょ
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
私の垂れ流し文章じゃ伝わらないか
…伝わった??????
…
あっ……
…
ごめん…
読み解いてください…
お次、相葉さん。
誰しもが ただ1つ 名授かった日から
胸を打つ音色 呼応して奏でるフレーズ
すきです。相葉さんの歌声は、本当に不思議だ。甘く、本能に響く声。男くささもちゃんとある。透明感というよりは、ふんわり、ふんわり、わたあめみたいな。そしてとても人間らしい歌声。優しい相葉さんのその優しさを、そのままぎゅっと歌声にしたような。
さあ、歌詞。大変だ。これは大変だ。だってあの相葉さんが”命と名前”について歌うのだ。動物と共に生きてきて、動物の番組を持ち、獣医を演ずる相葉さんが。
わたしたちはただひとつの名前を持つ。もちろん、あだ名やハンドルネームなど、”=私”の名前はいくつも存在するだろう。でも、”私”の名前はひとつだけ。(それは人間だけではなく、犬も、猫も、ハムスターも。)
産まれた瞬間、わたしたちは名前のないただの赤ちゃんだ。親から名前を授かり、そこで初めて”私”の物語が始まる。たった1回きりの"私"の物語。ペットショップのケースの中にいる犬は、名前のないただの犬だ。家族として迎え入れ、”ポチ”と名前をつけることで、わたしとポチの物語が始まる。
物語は命が産まれた日ではなく、名前を授かった日から始まる。わたしとあなたの物語は、産まれた日ではなく、出会った日に始まる。
あいばさんが「名授かった日から胸打つ音色」って歌うのも尊すぎ問題。産まれた日ではなく名前がついた日。犬からポチになった日。知り合いAから◯◯ちゃんになった日。TLでみかける人から相互さんになった日。そこからふたりのひとつのメロディー=物語が始まるっていう…なんてこったあいばさん…
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 26, 2018
”胸打つ音色”は、心臓の拍動だろう。どっ、どっ、どっ、どっ、どっ、という、あの心臓の音。その拍動は、bpmという単位で表すことができる。音楽のテンポと同じ単位で。「どっ、どっ、どっ、どっ、どっ、」テンポジュースト。音楽がはじまる。
5人の歌声と踊る姿に強く惹かれた。その時に感じた心音。そうして私の"私と嵐の物語"は始まった。
次、二宮さん。
出逢えた悦び 感じ合い
さぁ 世界の最果てまでも響かせそう Wow
すきです。なんだろう。あなたはその表現力で歌声まで操ってしまうのか。だから…なんだろう、説明しにくい。いろんなニノミーがいる。地声で高音をだせちゃうもんだから、高音にもいろんなニノミーがいる。いろんなニノミーを楽しめる。
ニノミーの歌詞に関しては、”悦び”、ここに尽きる。そして以下のツイートですべて説明したと思っている。
出逢えた「悦び」ってのが最高👍他の漢字では全く違う意味になる。"心から湧き上がるよろこび"という意味がある一方で"自分で満足してよろこぶ"という意味もある…もっと素敵な出会いがあるかもしれんが、自分はこの出逢いに満足しよろこびを感じているという…しかもそれをニノちゃんが歌うという…
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 26, 2018
あのニノちゃんが歌うんだぜ…出逢えてうれしいって…(しかも悦に入るの悦って思うともっともっと尊くなる…)
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 26, 2018
私は勝手に、ニノミーは「寂しさってなに?」って言いながら寂しそうな顔をする人間だと思っている。そんな”あまのじゃく”という言葉がぴったりなあなたが、楽しそうに歌う。じゃれあいながら、ちょっかいをかけながら。 心から湧き上がる悦び、出会えてよかったという悦びを。
本当かな。本当だろうな。このパートの歌声と、最後のあの銀テの向こうで微笑む姿を見れば、疑うことなんてなにもない。
よかったね、ニノミー、4人に出会えてよかったね。
次、櫻井さん。
今日の陽が昇るまで 音楽がコトバ以上
真心伝うこと 幾度となく見てきた
(歌声に関しては触れると止まらなくなるので割愛)
松潤のところに載せたツイートでもちょろっと触れています。
恐らく、詳しく説明する必要はない。櫻井担であれば既に思っていることだろうし、きっと担じゃなくてもなんとなく感じているだろうし。
さくらいパートは説明する必要がない。ラップで、ニュースで、番組で、雑誌で。様々なところで私たちは「さくらい氏の言葉」に触れ、「さくらい氏の言葉」に影響を受けてきた。5人の中で誰よりも言葉と向かい合い、寄り添い、表現してきた彼が"音楽がコトバ以上"を歌うこと。まじノーブル。
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
140字でよく説明した、私。自分で褒める。よくやったぜお前!!!
ラップで、報道番組で、バラエティ番組で、雑誌で。櫻井さんはいつでもどこでも、自分の言葉を大切にし、言葉の力を信じている。時には親友のように、時には武器のように。5人の中でいちばん言葉と向き合ってきた。大切にし、責任を持ってきた。
そんな櫻井さんの言葉を私たちは享受してきた。その言葉に支えられ、励まされてきた。
なのに。それだけ言葉を大切にしていている彼でも、言葉では伝わらないことがあるんだと。言葉よりも、音楽が、人の心を動かすこともあるんだと。
「たまに」ではなく、「何回も」。「ずっと昔から」、「今に至るまで」、「きっとこれからも」。音楽にはそんな力あるんだと…
しかも彼は、その事実を、あんな、愛おしいものを見るような…あんな表情で歌うのだ…まるで「そんなこと、知ってるよ」と…「そんな当たり前のこと、今更騒ぐことじゃないでしょ?」…なーんて、美しくお手を振りながら。(だからあなた聖母とか天皇陛下とか言われちゃうんだよ…)
そして、きっとその表情の裏には、ちゃんと悔しさが隠れている。
さいご、おおのパート。
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
ラスト、大野さん。
互いの思いを信じ合い
そう 未来は絶えず変わり続ける ”Because you are…”
(歌声に関しては触れると止まらなくなるので割愛)
ソロパート歌詞の中で、唯一ここだけが引用符と三点リーダーを用いてその先を隠している。そこに隠されたメッセージは何なのか。
有名なフレーズがある。
「I love you, because you are you.」
あなたを愛しています。なぜならあなたがあなただから。
直訳したら、こんな感じです。このフレーズが伝えたいことは、「あなたはあなたのままでいいんだよ」ということ。どんなあなたでも、わたしはあなたのことが好きだよ、と。
"Because you are…"の”…”には、きっと”you”が入る。私はそう思っています。
「変わり続ける世界の中で、
あなたはあなたのままでいいんだよ」
おおのパートの核は、「未来は絶えず変わり続ける」に続く「"Because you are…"」が私たちに伝えたいメッセージは何か、ということ。で、私は「I love you, because you are you.」を引用した説を提唱しよう。
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
「変わり続ける世界の中で、あなたはあなたのままでいいんだよ」、と。
「I love you」はここまでの歌詞でそれはそれはもうたっぷり伝わってくるもんね?
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
しかも、この言葉を、他の4人ではなく大野さんが伝えてくれるのである。
あの、大野さんが。
10年以上、テレビなんだから喋って!と言われ続け、あまり肌焼きすぎるな!と言われ続け、それでもやりたいことをやりたいように、好きなようにそのままのおおのさとしでいる人が、「だからね君もそのままでいいんだよ」と言ってくれているような気さえしてきますよね??
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
してくれ
あの、ブレない大野さんが。テレビでも自分のペースを崩さない大野さんが。「いいんだよ、そのままの君でいいんだよ」と。そう伝えてくれるのです。
(わたしたちも、つたえたいよ。そのままの大野さんでいいんだよ。ありのままの今の大野さんを応援するよ。好きなように好きなことをやっていいんだよ。釣りでも、絵でも、船でも、なんでも、あなたの好きなことを、好きな人と、好きなようにやっていいんだよ。)
(あなたの好きな人の中に、4人を入れてくれてありがとう。ありがとう!)
"Because you are…"に関してもう一つ。
("Because you are…"が何を意味するかに関してはもうひとつ。もうわたしたちの中で、「you are」ときたら「my soul」ですよね。曲全体をみてこのフレーズが意味するところを考えるならば、おそらくこちらの方が正解かもね!あらしとファンの関係をあらわしているともとれる曲ですから)
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
嵐デビュー曲、『A・RA・SHI』の有名すぎるフレーズである。
You are my SOUL! SOUL! いつもすぐそばにある
未来は変わり続ける。どんな未来でも、いつも嵐はすぐそばに。すぐそこに。
"Because you are…"のふたつの案を踏まえた上で、歌のはじめに戻りましょう。
大野さんの宇宙まで響き渡るような「Sing forever」。櫻井さんの山の向こうまで響き渡るような「Evermore」。
「Sing forever」に「Evermore」をかぶせてくるの、意味は似てるのにくどいどころか大気圏越えの尊さを感じるのは、この二つのフレーズをひとりが続けて言っているというよりふたりが向かい合って「ずっと歌い続けようね」「ずっとね」って言いあってる感があるからでしょう
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 26, 2018
ツイートでは”ふたりが向かい合って”と書きましたが、ふたりに限った話ではなく。5人で向かい合ってかもしれない、嵐とファンが向かい合ってかもしれない。
そんな感じで、『彼方へ』は、だれかと向かい合い、見つめ合いながら、「ずっと歌い続けようね」「ずっとね」と、”夜明けの静寂のなか”で、まるで何かに誓うように、祈るように、始まる。
思えば、この曲のタイトル、『彼方へ』。何も考えず、そのまま読めば『かなた・へ』
かなた 【彼▽ 方▽ 】
( 代 )
遠称の指示代名詞。
① あるものを越して、話し手から遠く離れた先の方、またはその場所をさす。むこう。あなた。 「海の-の国」 「二万光年の-の星」
② 現在から遠く隔たった過去および未来をさす。 「歴史の-」
過去から今、今から地平へ。「今までも、これからも音楽は終わらない」、『かなた・へ』。ぴったりな曲名だ。
でも、でも。
『彼方へ』って、何も考えず「かなたへ」読んじゃうけど、「あなたへ」とも読むもんね…
— かりん🍊 (@kkkrn_P) September 29, 2018
『あなた・へ』とも読めちゃうのである。
あなた 【〈貴方〉・彼▽ 方▽】
( 代 )
① [2] 二人称。 《貴方》
㋐ 「きみ」の軽い尊敬語。やや気がねのある、ある距離を置いて接する場合に同輩または同輩以下の人に対して用いる。普通、目上には使えない。 「 -はどうなさいますか」
㋑ 親しい男女間で相手を呼ぶ語。特に、夫婦間で妻が夫を呼ぶ語。 「 -、ご飯ですよ」 〔相手が女性の場合「貴女」、男性の場合「貴男」とも書く〕
② 三人称。「あの人」の尊敬語。あの方。 《貴方》 「 -は番町さんといふおかただ/洒落本・遊子方言」
ちょっと考えてみれば思いつくことだね…うん…、…そっか、と。
この曲は、「ずっと歌い続けようね」に「ずっとね」と返してくれる、そばにいる「あなたへ」の曲でもあった、ということでしょうか。わかりません!
2017年後半からの嵐曲にはメッセージが詰め込まれすぎです。Doors、彼方へ、君のうた、BRAVE。表現をかりるなら、大きな花火から、小さな線香花火まで。いろいろ気づけていないんだろうけど。深読みすぎるのかもしれないけど。私は歌が好きだから、歌う5人が好きだから。
ありがと清~聴!